吉祥寺の仕立て屋、オーダースーツのFOUR BUTTONS(フォーボタンズ)で開催しているワークショップ、“きまぐれワークショップ”も今回で11回目。
毎回、仕立て屋の枠に捕らわれず、今作りたいものをお客様と一緒に考えて開催しています。
今回は、かねてからご要望の多かった結び下げのネクタイのワークショップです。
ネクタイと言えば、シルクのものが大半を占めるのですが、ワークショップで行うにはややハードルが高いと言うことで、コットンタイを作ることにしました。
実際、コットンタイは締め心地も良く、ONにもOFFにも色んなシーンで活躍出来るし、使っていくうちに生まれるシワ感や色褪せがストーリーがあっていいなぁと思っています。自分で作ったネクタイなんて、孫の代まで大事にしたいですよね!
まずは裁断。
開催当日まで悩んだのですが、今回参加してくれた2人は共にワークショップ経験者だったので、生地の裁断からやってもらうことに決めました。
ネクタイを作る上で一番大切なことが、正バイヤスで作っていくこと。この意味を理解してもらいたくて、時間が掛かりますが裁断を自らやってもらいました。
普段何気なく締めているネクタイも自分で作ると構造も理解出来て、締める際の綺麗なノットの作り方も分かり易くなりますね。
ネクタイの“命”の剣先を作っていきます。
剣先の作り方は、色々な資料やネットでも探してみましたが、これがなかなか見つからない! 今までネクタイのワークショップを開催しなかったのは、実は縫い方が分からなかったからなんです…。洋裁経験がある方は、剣先の縫い方の構造を考えて頂ければ納得頂けるはず。
ようやく剣先の縫い方を修得したので、表地と裏地と綺麗に縫い合わせて、大剣、なかはぎ、小剣と縫い合わせていきます。
今回のワークショップでのミシンワークはここで終了。あとは、ひたすら手縫いの地味なワークが続きますよ~。
ネクタイ専用の芯地を据えて、表地包んであげたら、大分とネクタイらしい形になってきましたね。
ここからは、手縫いで縫い閉じていきます。
ネクタイとして締め心地を考えると、実はしっかりとキツク縫ってはダメなんです。結んだ時に引っ張られたりするので、そのテンションにあわせて少しゆるく縫っていく必要があります。
ネクタイを良く見てみると、大剣、小剣の内側にループ状の糸が垂れているのを見かけたことはありませんか?
あの糸が大剣から小剣まで1本の糸で縫い閉じてあるわけです。なので、ネクタイの糸がゆるくなってきてしまったら、優しくこの垂み糸(たるみいと)を引っ張ってあげると、買った時の様なネクタイの姿に戻るんですね~。
っという訳で、ネクタイの長さ約1.5mを1本の糸で絡まらない様に、慎重に慎重に手縫いしていきます~。
(言うのは簡単ですが、この作業だけで約1時間半以上、もくもくと集中してワークしてもらいました…。)
こちらが完成品!
予定よりも大幅に(裁断からやってもらったので大変でしたね)時間がかかってしまいましたけど、既成品とも見劣りしない出来のネクタイが出来上がりました。
早速コットンタイの不揃いさがあって、これはこれで味わいがあってイイですね!
明日からの仕事で使って下さい~。
最後は、みんなで恒例の撮影会!
なんだか、選んだ生地も2人に似合っててイイ感じ。
孫の代には、擦り切れてリアルヴィンテージになってるのかな? 爺ちゃんがハンドメイドで仕立てたネクタイなんて、家宝ものだよね。
長いワークでしたが、今回も大変お疲れ様でした。
ネクタイのワークショップは、またやりたいですね~。
初めての方でも、ワイワイやっているワークショップですので、是非お気軽にご参加下さいませ。
吉祥寺の仕立て屋 オーダースーツのFOUR BUTTONS(フォーボタンズ)
武蔵野市吉祥寺本町4-7-3 加藤会計ビル3F
0422-27-1152
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